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日本の味噌と韓国の된장[テンジャン]の違いは。おすすめ納豆で作るテンジャンッチゲ

へどじ

近年、韓国で特に若い人たちは昔ながらの韓国料理より洋食を好む傾向が多いよ。

しかし、一昔前まで韓国では、汁がないと食事をした気にならない、これといったおかずがなくてもご飯とkimchi、汁さえあれば食事ができるとよく言われてきました。

目次

韓国の汁

韓国語で汁のことを국[クk]、または국물[クンムル]といいます。

ねぎ

국[クk]か국물[クンムル]が汁なんだね

韓国料理にはいろんな汁料理があります。韓国料理を扱っている飲食店に行くと、ほとんどのお店で注文したメニューとは別に注文していないサービスのスープが出てきますし、セルフサービスで自由にスープが飲めるところもあります。

韓国語に「국물도 없다」[クンムルド オpッタ]という慣用句があります。直訳すると「スープもない」ですが、「すべて飲んでしまって何も残っていない」「自分の分け前や利益を相手に施す気持ちがない、相手に何も与えない」という意味で使われています。

慣用句とは人々の生活習慣の中で長い間伝われてきた言葉です。

へどじ

他者に与える物、気持ちをスープに例える程、韓国の食にスープが欠かせないということですね。

韓国の味噌

へどじ

味噌は韓国語で된장[テンジャン]です。

[テン]は硬い、[ジャン]は醤(麹と食塩によって発酵させて製造した調味料)と言う意味です。

テンジャン

テンジャンは、大豆を半日以上、水に漬けてそれから茹でます。そしてすり潰します。すり潰したものを四角く固めて乾燥させて、わらで縛って乾燥させます。この乾燥させたものを메주[メジュ]といいます。

메주[メジュ]

メジュに塩水、唐辛子、干したなつめなどを壺や甕に入れて10週間ほど放置するとテンジャンが出来上がりますが、長く放置すればさらに濃厚になります。

<テンジャン>

ちなみに、テンジャンから滲み出た塩辛い液体が간장[カンジャン] (醤油)です。간[カン]は간간하다[カンカナダ](塩気がある)、[ジャン]は醤と言う意味です。

日本の味噌

日本の味噌も大豆を茹でて磨り潰すところまではテンジャンと似ていますが、味噌は固めて乾燥させず、大豆に麹菌を付ける点が異なります。

韓国語の代表的な早口言葉

ここで、ちょっと口、舌、顎を解して、活舌がよくなりましょう。日本にも早口言葉がありますが、以下は韓国語の代表的な早口言葉の一つです。

간장 공장 공장장은 강 공장장이고, 된장 공장 공장장은 장 공장장이다.

[カンジャン コンジャン コンジャンジャンウン カンコンジャンジャンイゴ、

テンジャン コンジャン コンジャンジャンウン チャンコンジャンジャンイダ]

とまと

日本語に訳すと「醤油工場の工場長はカン工場長で、味噌工場の工場長はチャン工場長だ」という意味だよ。

カン(姜)、チャン(張)は韓国に多い苗字、カンジャン=醤油 工場長=コンジャンジャンと、発音が似た単語が続くので途中で噛みそうになります。

味噌汁とテンジャンの使い方の違い

味噌

味噌汁を作る時、水の状態から具材と共に入れて煮込むとどうなるでしょう。味噌独自の風味や旨味は消え、塩っ辛い味噌汁になります。

味噌汁は水、だし、具材を入れて、沸騰して火を止めてから、仕上げに味噌を溶かして作ります。

テンジャン

テンジャンを使う時は、火を止めて仕上げに入れては本来の味はでません。

テンジャンは具材をある程度、茹でた後から入れて煮込むことで旨味とコクが出ます。

テンジャンだけでなく、もち米麹、唐辛子の粉を主材料とするコチュジャンを使って汁物、煮込み料理をする時も

「보글보글 끓여야 제맛」[ポグルポグルックリョヤ チェマッ](グツグツ煮込んでこそ真の味)と韓国の方々の間ではよくいわれています。

主に葉物野菜が入り、具より汁が多いものを된장국[テンジャンクk]

一方、뚝배기[トゥkッペギ]と呼ばれる下の写真のような土鍋にあさり、または豚肉などが入って、汁より具沢山なものを된장찌개[テンジャンッチゲ]といいます。前者はテンジャンスープ、後者は味噌煮込み鍋です。

국[クk]と찌개[ッチゲ]の違い

국[クk]と찌개[ッチゲ] の共通点は、スープに具材が入るということですが、最も大きな違いは具材とスープの比率です。

국[クk]はスープ7、具材3で構成されています。

一方、찌개[ッチゲ]はスープ4、具材6程度で主に具材を食べるための料理です。

また국[クk]はご飯のように人数分、器に盛って出しますが、찌개[ッチゲ]は調理して食べる時に自らの取り皿にとって、または調理した鍋から直接取って食べる点が異なります。

日本で찌개[ッチゲ]は、チゲ鍋という語が使われていることもあり、韓国風の「鍋」料理として認知されていますが、実際には肉や野菜、魚介類を入れて、醤油、味噌、コチュジャン、アミの塩辛などで味をつけて煮込んだ汁より具が多い煮込み料理です。

日本の鍋料理のように具材とスープを煮込みながら食べる料理は탕[タン](湯)、または전골[チョンゴル]といいます。

調理時間においては국[クk]찌개[ッチゲ]に比べて탕[タン](湯)は調理時間がかかりますし、국[クk]は調理された状態のまま食べるのに対して、탕[タン](湯)は、お好みで塩や胡椒、ネギなどを入れて食べる点も異なります。

韓国の焼肉屋さんでは締めにご飯、または冷麺をよく頼みますが、ご飯を注文するとテンジャンッチゲとおかずが何品かセットで出てきます。

 別々に召し上がってもかまいませんが、おかずは主に野菜を和えたものが出てきます。ご飯にそのおかずとテンジャンッチゲを1匙~2匙、入れてよく混ぜると食べ合わせも栄養価も抜群の即席ビビンバができます。

以上のように、味噌とテンジャンでは作り方が異なります。仕上げに味噌を入れる味噌汁と途中から入れて煮込むテンジャンッチゲとでは作り方が異なります。

味噌を韓国語で調べると된장[テンジャン]が出てきますが、「味噌=テンジャン」と認識するだけでは、実際に調理する時に上手くいかないことがありますので、知っておくと良いでしょう。

テンジャンに含まれるα-リノレン酸はコレステロールを減少させ血圧を下げ、抗がん性成分を含み、肝疾患予防にも効果があります。またレシチンという成分は記憶力、学習力、集中力を高め、健康な脳を保つ効果があります。

納豆で作る된장찌개[テンジャンッチゲ](味噌煮込み鍋)

日本国内の韓国食品店、輸入食品を取り扱うお店などで韓国のテンジャンを手に入れることはできるでしょうが、お近くのスーパー、コンビニなど販売店にはなかなか見当たりません。納豆でもテンジャンッチゲを作ることができますので以下の通りご紹介します。

材料 2~3人前

水600ml

じゃがいも、椎茸1個 玉葱、豆腐4分の1個

すりおろしニンニク 少々 辛い物が得意な方は唐辛子一本

あさり、または豚小間切れ肉 召し上がりたいだけ

納豆2パック コチュジャン(大匙2分の1) こんぶだし、またはいりこだし小匙1

作り方

1 野菜類を1㎝程度に小さく食べやすいサイズに切る。

2 水600mlを鍋に、沸騰したらジャガイモ、玉葱、椎茸を入れて中火で5分程茹でる。

3 コチュジャンとニンニク大匙2分の1、唐辛子、あさり(豚肉を使う場合は豚肉をあらかじめ炒めておく)、納豆、最後に粉末のだしを入れて中火で5~6分ほど煮込みます。

納豆は煮込むと独特の匂いがしますが、コチュジャンや粉末のだしを入れることで、コクと旨味を出して納豆の匂いを軽減させます。

<テンジャンッチゲ>

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